第19章 姫巫女と隠し扉の罠
寮生全員が寝静まった夜。
シオンはこっそりと部屋を抜け出して、談話室までやって来た。
そこにはすでに、ハリーたち三人の姿がある。
「ごめんね、わたしが最後かな?」
「気にしなくていいわ。私たちの方が早かったのよ」
「そわそわして、時間ばっかり気になるんだ」
ハーマイオニーとロンが笑ってくれて、シオンもホッと肩の力を抜く。ハリーは透明マントを見つめていた。
「コイツが戻って来てくれてよかったよ。誰か分からないけど、助かった」
ポツリとハリーが呟く。
試験前――罰則で禁断の森に入った日だ。
メモの人物が誰かは分からないが、すでにこうなることを見越していたのだろうか。
「ここでマントを着てみた方がいいな」
「むしろ、透明マントに頼らないで、シオンの魔法を使った方がいいんじゃないかしら?」
ハリーの言葉に、ハーマイオニーが提案する。
「わたしとしては、保険として使ってもらった方が助かるかな。動くものを隠すとなると、かなり神経を使っちゃうから」
四人全員隠すのと、足にだけ注意しておくのとでは、シオン自身にかかる負担も違うのだ。
「……でしたら、彼らに協力することを辞めにしてはいかがです?」
「それはできないよ、ヒマワリ。わたしは――――……え?」
シオンたちの目が声の主を振り返る。
そこには、ヒマワリ・タツガミの姿があった。ヒマワリだけではない。ネビル・ロングボトムも一緒だ。