第19章 姫巫女と隠し扉の罠
――『初めてハグリッドに会ったとき、ずーっと前からドラゴンを飼いたいと思ってたって、そう言ってたよ』
――『賭けに勝ったんだ。昨日の晩、村まで行って、ちょっと酒を飲んで、知らない奴とトランプをしてな』
サー…と顔が青くなるのを感じた。
まさか、と思うものの、その悪い推測を拭い去ることができない。
シオンはスクッと立ち上がった。
「ど、どうしましたの、シオンさま?」
突然立ち上がったシオンに目を丸くするヒマワリに、シオンは「えっと……」と誤魔化す言葉を探した。
「あ、お、お手洗いに……行ってくる……」
シオンはハリーを見て、ロンを見て、ハーマイオニーを見る。その視線の意味に気づいたのはハーマイオニーだけだった。
「ハリー、ロン。あなたたちもトイレに行きたいって行ってたじゃない。行きましょう!」
駆け出したシオンに、ハーマイオニーはハリーとロンを呼びつけた。
ハリーは意図するところに気づいたらしく、「そうだった!」と答える。ロンも戸惑いつつ、ハリーの背中を追いかけた。
* * *