第18章 姫巫女と禁じられた森
今回のことは、シオンやハリー、ハーマイオニー、ネビルに大きな影を落とした。
ロンやヒマワリたちからたくさん慰めの言葉や励ましの言葉をかけてもらったが、どうしても考えてしまう。
なんてバカなことをしてしまったんだろう、と。
「シオン!」
一人になりたいから、とヒマワリたちと別行動で廊下を歩いていると、見覚えのある赤毛の男子生徒が声を掛けてきた。
「……ジョージさん」
いつも一緒にいる双子の片割れはいないようだ。
「あ、あの……」
当然、彼の耳にも入っているはずだ。自分たちの愚行の結果が。
「ん?」
「すみませんでした……わたしたちのせいで……」
「あぁ、寮の点のこと? 気にすることないよ。僕たちだってしょっちゅう引かれてるし。一年で換算したら、たぶんシオンが引かれたのと同じくらいになるんじゃないかな?」
「でも……」
「でも、はなし! それよりさ、試験が近いだろ? だから、図書館デートに誘おうと思って。これから時間ある?」
「で、デート⁉」
唐突な申し出に、シオンの心臓が跳ねた。
「そうそう。こう見えて、試験の成績は結構いいんだ。用事がないなら、ほら。図書館に行こう!」
成績がいいのはロンに聞いていて知っている。
強引に腕を引っ張られ、シオンはそのまま、ジョージと図書館デートをすることになった。
* * *
図書館からの帰り。
フレッドに呼ばれたジョージと別れ、シオンはグリフィンドールの寮へ帰ってきた。
彼は彼なりに、シオンを励まそうとしてくれたのだろう。
試験勉強は楽しかったし、合間に話してくれた『武勇伝』という名のイタズラ話の数々も面白かった。
彼の悪戯っぽい笑顔を思い出し、シオンの胸が甘い熱を持つ。
「あ、シオン」
「シオンも今帰り?」
「ロン、ハーマイオニー」
二人も図書館で試験勉強をしていたのだというが、全く気づかなかった。
そこへ、ハリーが慌てた様子でバタバタと駆けてくる。