第18章 姫巫女と禁じられた森
「あのね……みんな……」
朝が来て、シオンはヒマワリたちを呼び止めた。
「どうしたのよ、シオン。そんなに改まって」
「顔色が悪いですわ。シオンさま、どこか具合が悪いのでは?」
マリアが首を傾げ、ヒマワリは気遣わしげな瞳を向けてくる。
「あ、わ……わたし……」
シェリルが小さく欠伸をし、目元をこすった。
「まだ朝食に行かないなら、もう少し寝たい」
「ダメですよ、シェリルちゃん」
ベッドに戻ろうとするシェリルをシャーロットが止める。
『シオン。言い難いのならば我が話してやろうか?』
「い、いえ! それはわたしが……っ」
任せられるものなら任せたい。けれど、これは自分がしでかした失態であり、自分から話さなければならないことだ。
「あ、あのね……わたし……みんなに謝らなくちゃいけないことがあって……」
シオンは意を決して話した。
しどろもどろで、要領を得ない部分も多かっただろう。
どう説明していいのか分からず、包み隠さず話すことにした。
ハグリッドがドラゴンの卵を譲り受け、違法と知りつつ育てようとしたこと。
ロンの兄のチャーリーに頼んで、生まれたドラゴンを引き取ってもらおうとしたこと。
そのことをマルフォイに知られてしまったこと。
追いかけてきたネビルまで罰則を受けることになったこと。
昨夜の事の顛末の全てを話して聞かせた。
どんな叱責も受け止める覚悟だった。
もしかしたら、二度と口を利いてもらえないかもしれない。
だが、それだけのことをしてしまったのだ。
シオンの話を、少女たちはただ黙って聞いてくれていた。
「……それで……マクゴナガル先生に見つかっちゃって……わたしとハリーと、ハーマイオニーとネビル……四人とも、一人五〇点も減点されて……」
シオンは勢いよく頭を下げた。