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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第18章 姫巫女と禁じられた森


「何があったのか、わたくしにはよく分かっています。ドラゴンなんて嘘っぱち。マルフォイに一杯食わせてベッドから誘き出し、問題を起こさせようとしたんでしょう。マルフォイはもう捕まりました。たぶんあなた方は、ここにいるネビル・ロングボトムが、こんな作り話を本気にしたのが滑稽だと思っているのでしょう?」

「そんな! わたしたちはそんなこと……っ!」

 けれど、マクゴナガルの鋭い眼差しに、シオンはそれ以上続けることができなかった。
 ネビルは信じられないものを見るような揺れる瞳を向けてくる。
 マクゴナガルの話が真実だと思っているのだろう。

 マルフォイの言葉に、彼は一生懸命、暗い塔の中を走り回っていたのだろう。
 怖がりの彼が自分たちを思って行動してくれていたことを考えると、胸が痛い。

「呆れ果てたことです。一晩に五人もベッドを抜け出すなんて! こんなことは前代未聞です!」

 マクゴナガルは強い口調で三人を非難した。

「ミス・グレンジャー、あなたはもう少し賢いと思っていました。ミスター・ポッター、グリフィンドールはあなたにとって、もっと価値のあるものではないのですか。ミス・リュウグウ、思慮深いはずのあなたがこんなことをするなんて……今でも信じられません。四人とも処罰です。えぇ。あなたもですよ、ミスター・ロングボトム。どんな事情があっても、夜に学校を歩き回る権利は一切ありません。特にこの頃、危険なのですから」

 一度瞼を伏せ、マクゴナガルが一同へ順に視線を向け、ギュッと眉間に皺を寄せて言い放つ。

「五〇点、グリフィンドールから減点です」

「五〇……」

 呆然と呟くハリーに、シオンは愕然とした。
 五〇点も減点されては、せっかくクィディッチで得た寮対抗のリードを失ってしまう。
 しかし、マクゴナガルはさらに信じられない言葉を続けた。

「一人五〇点です」

「一人……五〇点……じゃあ……」


 四人合わせると――二〇〇点の減点。


 シオンたちの表情が、一斉に青くなる。
 どうにか考え直してほしいとシオンたちが懇願するも、マクゴナガルは当然取り合わない。
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