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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第18章 姫巫女と禁じられた森



 どうしよう……こんなことに、なるなんて……。

 フィルチはシオンたち三人を、二階にあるマクゴナガルの研究室へと連れて行った。

 どうにか誤魔化せないかと頭を働かせるも、いい言い訳は出てきてくれない。
 きっとそれは、ハリーやハーマイオニーも同じだろう。
 不安そうな表情を浮かべる二人の隣で、シオンも同じような表情をしていた。

 浮かれていた。屋上に透明マントを置きっぱなしにし、シオンも『摩利支天隠形法』を忘れていた。

 真夜中にベッドを抜け出してうろつき、授業以外では立ち入り禁止の一番高い天文台の塔に登った。
 どんな理由があろうと、マクゴナガルが許すわけがない。
 きっと、退学処分は免れないだろう。父にどう顔向けすればいいのか……。

 揃って俯く三人の前に、マクゴナガルが研究室へ入って来た。


「「「ね、ネビル⁉」」」


 何と、マクゴナガルはネビルを引き連れて現れた。

「ハリー、ハーマイオニー、シオン!」

 ネビルが泣きそうな声で三人の名前を呼ぶと、弾かれたように喋り出す。

「探してたんだよ。注意しろって教えてあげようと思って。マルフォイが君たちを捕まえるって言ってたから。君たちがドラゴ――」

「ネビル!」

 ドラゴン、と言おうとしたネビルを、ハリーが強い口調で名前を呼んで止めた。
 ここで『ドラゴン』などと言おうものなら、最早逃げ道は本当に閉ざされてしまう。

 しかし、マクゴナガルには二人の様子で事情を察したらしく、呆れたように息を吐いた。

「まさか、皆さんがこんなことをするとは、全く信じられません。ミスター・フィルチは、あなたたちが天文台の塔にいたと言っています。深夜の一時にですよ。どういうことなんですか?」

 ハーマイオニーの頭脳なら、何か上手い言い訳でも思いついたのではないだろうかと期待したが、彼女は俯いたまま何も言わなかった。
 ハーマイオニーがマクゴナガルの質問に答えられなかったのは、これが初めてではないだろうか。
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