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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第14章 姫巫女とクリスマス


「アメジストの代わりに紫のガラスを飾ったネックレス、ね」

 意味ありげに言うマリアは、少しだけ意地悪そうに笑っている。
 ホグワーツを出発した列車の中で、シオンは質問責めに遭っていた。
 内容はもちろん、先ほどのジョージ・ウィーズリーとのことだ。
 紫色のガラスがアメジストの代わりだと言われたことを話すと、マリアのこの発言だ。

「意外。こういうやり方ができるんだ」

「ふふ。駆け引き上手なようですね」

「駆け引きもなにも。それ以前に、あからさますぎてバレバレじゃない」

 シェリルとシャーロット、ハーマイオニーが小さく笑うが、シオンには何のことかさっぱり分からない。

「月映さま、みんなは何の話をしているんですか?」

 問いかけたシオンに、金色の細い龍は鼻を鳴らす。

『大したことではないのだ。そなたは知らずとも良い』

 どうやら不機嫌なようで、そんな態度を隠すことなく尾をピシャリと揺らした。

「あら、教えてあげないの? それはどうかと思うわよ、ゲツエイ?」

「ちょっと、マリア! 余計なことはしないで下さいな! シオンさまは知らなくていいんです! きっと、意味も何も考えていないに決まってますわ! たまたまです、たまたま! そうに決まってます!」

『ヒマワリの言う通りだ! まだそうと決まったわけではない!』

 抗議の声を上げるヒマワリと月映に、シャーロットが人差し指を立てる。

「では、教えるのは一つだけにしましょうか?」

『一つも二つも変わらんわ!』

「いいじゃない、一つくらい。ね、シオン?」

 問いかけるマリアに、シオンは一つ頷いた。
 自分だけ知らないのも妙な疎外感を抱いてしまう。

 すると、隣に座っていたシェリルが、声を潜めて耳打ちしてきた。
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