第11章 姫巫女とハロウィーン
「ヒマワリ。あなたが何を気にしているのか知らないけど、評価云々(うんぬん)で私たちが態度を変えることはない。そうでしょ?」
「もちろん。それは、ヒマワリちゃんも同じですよね?」
何かが起こったとして、周りがシオンをどういう目で見ようと、自分たちが態度を変えることはない。
「だから、そうではなくて! あたくしが、シオンさまを貶められたくないのです!」
「でも、それを決めるのはシオンだわ。あなたじゃない」
マリアの言葉に、ヒマワリはグッと押し黙る。
ね、と同意を求められ、シオンも小さく、しかしはっきりと頷いた。
「マリアとシャーロットの言う通り。それに、評価を気にして友達を助けられないなんてイヤ。絶対に。そんなことになったら、わたしはわたしを赦せない」
だから、わたしはいつだって前に進む。
自分が、後悔しないために。
ヒマワリは傷ついた表情をして俯いた。
納得がいかないと、そう態度で表現している。
けれど、頬に触れるシオンの手に自分の手を重ねて。
その手を離すことはしなかった。
* * *
毎日の授業と宿題に追われ、気がつけばホグワーツに来て二ヶ月が経っていた。
あの日以来、ヒマワリは特別に何かを言うことはしない。
いつも通りにハリーやロンに接している。
ただ、二人に対してはどこか見えない壁のようなものを感じたが、ハリーもロンも気づいてはいないようだ。
ハリーはクディッチの練習が週に三回もあって忙しくも充実した毎日を過ごしているらしい。