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【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT

第1章 双つ星に魅せられて


数日後、雪菜が学校帰りに黒玉湯の前を通りかかると、声をかけられた。
「こんにちは、如月さん」
「制服、結構可愛いじゃん」
視線を向けると別府兄弟の姿があった。
「えっと、別府…先輩…」
雪菜がそう言うと、月彦は困ったように笑った。
「そんな堅苦しい言い方…名前で呼んでほしいな」
「そうだぜ。この俺が呼び捨てにしていいって言ってるんだぜ?」
日彦は雪菜の顔を覗き込むように近づいた。
「いや…でも…」
雪菜は日彦との距離に顔を赤くして一歩下がった。
「ハル、そんな言い方は良くないよ」
月彦は日彦の肩にそっと手を置いた。
「急には無理だよね、ごめん」
そう言って笑った月彦に、雪菜は安心したように少しだけ笑みを見せた。
その瞬間、二人は頬を染めて雪菜を凝視した。
「…あの…どうか、しましたか?」
雪菜は不思議そうに問いかける。
「な、なんでもねーよ!」
「…用事を思い出したので失礼しますね」
二人は口早にそう言うと、雪菜の前から立ち去った。
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