【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第3章 瞬く星のように囁いて
その日の深夜、零時を回った頃。
月彦はソファーにもたれかかり寝息を立てていた。
「なんだアキ、寝ちまったのか?」
「ちょっと、はしゃぎすぎましたかね」
雪菜は、月彦にそっとブランケットをかけてあげる。
「そういや風呂の前から、やたらテンション上がってたな」
「あはは。私がアキって呼んじゃったから、かな」
額にかかる前髪を、そっと払う。
「は?!何それずりぃ!」
突然声を上げる日彦に慌てる雪菜。
「しー!起きちゃいますって」
月彦の様子を気にする雪菜を、頬を膨らめ凝視する日彦。
「お兄ちゃん、弟にヤキモチ焼いたんですよ」
「はぁ?俺に?」
「私が、ハル先輩に甘いって」
月彦の寝顔を見て、微笑む雪菜。
日彦もまた、月彦の寝顔を覗き込むとクスリと笑った。