【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
「二人の、男の子…」
月彦と日彦は、お互いの顔を見合い何かを確信したように頷いた。
「どうかしたっすか、ブラザーズ先輩」
有基が小首を傾げて尋ねる。
「いや、何でもねーよ」
日彦は含みを持って笑う。
「そろそろ失礼するよ」
月彦は爽やかに笑って見せた。
「では、また」
二人そろって口にすると、黒玉湯とは反対の建物に姿を消した。
「ブラザーズ先輩は、お向かいさんに住んでるっすよ」
雪菜が二人を見ていると、有基が口を開く。
「随分、立派な建物だけど…」
思わず建物を見上げる雪菜。
「VEPPerってアイドルなんっすよ!」
「え?!アイドル?!」
有基の言葉に驚く雪菜。
「…似てるって思ったけど…」
雪菜は寂しそうに呟いた。