【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
「あはは。赤くなって、本当に可愛いね、君」
「おいアキ!抜け駆けすんなって!」
「抜け駆けってハル…ただの挨拶だよ?」
「だからって、ずりぃー!」
言い合いをしているが、二人はお互いをアキ、ハルと呼び合い仲が良さそうだった。
「ブラザーズ先輩は、硫黄先輩、立先輩と同じ二年生なんっすよ!」
双子のやり取りを見ていた雪菜に、有基が説明する。
「一つ上なんだ…すごく大人っぽいな…」
「そういえば、有基君が女の子といるって珍しいね」
「まさか…彼女?!」
不思議そうに雪菜と有基を見る月彦だが、日彦は驚いた様子で目を見開いた。
「ただの幼馴染っす。それに雪菜ちゃんには好きな人が…」
「ちょ!有基君!!」
悪びれもせず答える有基の口を、雪菜は慌てて塞いだ。
「好きな人、いるんだ…」
月彦が呟く。
「確か、小さい頃に会った、二人の男の子…」
有基は口元を塞がれつつも、モゴモゴとしゃべり続けた。
「もぉ!そんな話、今は関係ないでしょ!」
雪菜は耳まで真っ赤にして有基の口を押さえつけた。