【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
「…でも…その…選ばないのはちょっと…だったら…!」
言いかけた雪菜の唇を、月彦が人差し指で制止する。
「だったら、どちらも選ばない…とでも?愛の形は人それぞれです」
月彦は優しく笑う。
「ったく、くっだらねー。俺は、お前とアキと三人がいーんだよ」
日彦は呆れたと、頭の後ろで腕を組んだ。
「三人、で…?」
「えぇ…それがいいんです」
「あぁ。それがいーんだよ」
二人は両側から、雪菜に向き直る。
「…そう…なんだ…」
「そうですよ」
うつむく雪菜の頭を、そっと撫でる月彦。
「よし!じゃあ決まりだな!」
日彦はうれしそうに、雪菜の肩を抱き寄せた。
「ずるいですよ、ハル!」
月彦も負けじと雪菜に寄り添い肩を抱く。
雪菜は、二人の間で複雑な感情を抱いていた。