【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
「…落ち着きましたか?」
月彦から水を受け取り、雪菜は少しだけ口にした。
「はい…」
「悪かったな…ちょっと暴走した…」
隣に座る日彦をちらりと見る雪菜。
「僕も、すみませんでした…」
月彦もまた、雪菜の隣に腰を下ろす。
「ずっと想っていたあなたにやっと会えたのに…」
「お前はちっとも気付いてないのかと思って…」
「…ごめん…」
静かに優しく話す二人に、雪菜は小声で答える。
「謝る必要はありません」
「会えたんだからな」
二人は優しく笑いかける。
「可愛かった二人が、すごくかっこよくなって、本当に驚いちゃった」
雪菜は手にしたカップを握り締め、ふわりと笑った。
しかし、その表情はすぐに曇ってしまった。