【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
両側から手を引かれた雪菜は、ソファーに座り込む。
「な、何?!」
二人は、雪菜を正面から覗き込む。
目の前の二人の端整な顔に、雪菜は再び顔を赤くした。
「選ぶ必要なんてありません…」
月彦の滑らかな手が、雪菜の頬を包み込む。
「俺ら二人を好きになっていいんだぜ?」
日彦もまた、雪菜の頬に触れる。
「…でも…」
「でも、は、もお聞きたくありませんね」
月彦は、そのまま親指で雪菜の唇をなぞる。
「お前に拒否権なんてねーんだよ」
言葉とは裏腹に、優しく囁く日彦。
二人はゆっくりと近づき、雪菜の唇の端にそっと口付けをした。
「あなたが好きだと言うまで、もっと誘惑するまでです」
「早く好きだって言わねーと、どうなっても知らないぜ?」
二人の妖艶な笑顔を目の当たりにして、雪菜の鼓動は最高潮に達した。