【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
「俺たちがそんなのも見抜けねーと思ってんのか!」
「…そうじゃないけど…ごめん…」
「謝る必要はありませんよ」
うつむく雪菜に、優しく話しかける月彦。
「まぁ、俺たちがアイドルになった理由の一つはお前だしな」
「理由?」
「一つは…今度話すとして、もう一つは、あなたに会うためですよ」
「私に…?」
月彦の真っ直ぐな視線に、雪菜は思わず頬を染めた。
「俺らが六歳くらいだっけ?公園で泣いてるお前に声かけたのはいーけど」
日彦が雪菜の隣にどかっと座る。
「数日後に会う約束をしましたが、姿を見せなかった…」
「うん…」
月彦もまた、雪菜の隣にそっと座った。
「あの時、一人ぼっちで寂しかった…けど、二人が声をかけてくれてすごくうれしかった…」
「すみませんでした…父の急な転勤で…」
「悪かったな…伝えられなくて…」
二人の言葉を聞いて、再び雪菜の瞳に涙がにじむ。