【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
洗い物を終えてリビングに戻ると、二人は笑顔で立っていた。
「ご飯、とても美味しかったです」
「お礼しねーとな」
「え…お礼なんて…元々荷物を持ってもらったお礼なんですから…」
慌てた様子で手を振る雪菜に、月彦は手を差し出した。
「さぁお姫様、お手をどうぞ」
「俺たちのステージを独占だぜ」
普段とは違う雰囲気を見せる二人に見とれながらも、雪菜はそっと月彦の手を取った。
促されるままソファーに座ると、雪菜の前に立つ二人。
ゆっくりと目を閉じ、手を繋いだかと思うと、合図も無しに同時に歌い始める。
双子といえど、微妙に違う声色が心地よく混ざり合う。
旋律、歌詞に合わせ、魅惑的に歌い上げる二人。
時折視線が合うと、雪菜は鼓動を跳ね上げた。