【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
着いた先は二階建てのマンションだった。
二階の部屋に通された二人は、すぐに違和感を覚えた。
「もしかして、一人暮らし…ですか?」
「はい、そうですよ」
探るように問いかける月彦に、平然と答える雪菜。
「へ、へぇー一人なんだ…」
日彦は気まずそうに部屋を見回した。
「たまに、防衛部のみんなとご飯食べたりして、結構楽しいですよ」
食材を冷蔵庫に入れながら話す雪菜。
しかし、その一言で別府兄弟の表情が一変した。
「おのれ防衛部…またしても…!」
「くそ!うらやましいー!!」
「あのー…どうかしましたか?」
背を向け、拳を握り締める二人を不思議に思い問いかける雪菜。
「いえ!なんでもありません」
「なんでもねーよ」
「そ、そう…?」
わざとらしい笑顔で振り返る二人に、あっけに取られる雪菜。
「と、とりあえず作ってる間、お茶でも飲んでくつろいでてください」
雪菜は、手始めにお茶の用意をした。