【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
「だったら俺のも!こっちも美味いから食えって!」
日彦もまた、競うようにケーキを差し出す。
「ハル、そんな怖い顔で差し出したら困ってしまいますよ」
日彦の顔を見て、月彦がクスクスと笑う。
「そ、それはアキが…!」
「あはは。ありがとうございます、ハル先輩」
二人のやり取りに笑顔を見せた雪菜は、日彦のケーキを口にした。
「う、美味いだろ…?」
「はい!」
「でも、驚いたな。赤くなって動揺すると思ったのに」
月彦が頬杖をついて残念そうに呟く。
「確かに…意外と抵抗ないみたいだな」
日彦は自分のケーキを一口ほおばった。