【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
それから二時間後…
「くっそーこの俺を二時間も放置とか…」
「ハル、落ち着いて。彼女だって良い気分ではないはずです」
「それはそうだけどー!」
日彦は子供のように感情をあらわにする。
「ハル!出てきたみたいだよ」
一連の集団の後ろから、明らかに疲れた顔をした雪菜が姿を見せた。
「ふふ…あからさますぎますね」
月彦は雪菜を見て小さく笑った。
そんな雪菜に、一人の男の子が声をかける。
「この後も当然、一緒に行くでしょ?」
「あ、いえ…私はこれで…」
突然話しかけられ慌てる雪菜だが、笑顔を繕う。