【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第1章 双つ星に魅せられて
「え?!雪菜ちゃん行かないのー?」
先を歩く別の男の子が気安く名前を呼ぶ。
「ちょっと疲れちゃって…みんなで楽しんできてください」
軽く頭を下げると、集団とは逆方向に歩き出す雪菜。
「あ!じゃあ俺送って行くよー」
一人の男の子が、集団に目配せすると雪菜に駆け寄る。
「疲れたなら、少し休んでから帰らない?良い店知ってるし」
「いえ、大丈夫です…」
雪菜は愛想程度に笑うと、そのまま歩き続ける。
「そんな冷たいこと言わないでさー」
それでも声をかけ続ける男の子。
そんな男の子を、睨みつける月彦と日彦。
「あいつ、うぜー」
「そうですね…」
二人は、険しい顔で低く呟いた。