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【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT

第1章 双つ星に魅せられて


その日のお昼休み、眉難高校。
月彦と日彦は温室で紅茶を飲んでいた。
周囲には『別府Apes』と呼ばれる親衛隊が片膝をついて控えている。
「ハル、まだ顔がゆるんでるよ」
月彦はクスリと笑いながら紅茶を口にした。
「マジで?!あー!でも!思い出すとやっぱりなー」
日彦は両手で頬を押さえながらも、再び顔をゆるませた。
「まぁ、分からなくもないけどね」
カップをテーブルに戻した月彦は、その手をじっと見つめた。
「アキだってずーっと手見てにやけてんじゃん!」
「う…」
そう言われ、月彦も顔をゆるませる。
「…すごく柔らかくて…食べてしまいたいくらいでした…」
「抱き寄せた時もさー、すげぇふわふわしてたっつーか」
「ハル、すっかり彼女に夢中だね」
その言葉に日彦は、思わずハッとした。
「…そりゃ、そうだよ…俺だって、あの時から、ずっと…」
うつむいて呟く日彦。
「そうだね。僕も、あの時からずっと…」
月彦は日彦を見て、薄く笑う。
「それに、あんなに可愛くなってるし…」
「あはは。想像以上だね」
「…早く、気付いてくれねーかな」
日彦が物憂げに囁く。
「…そうだね…」
月彦もまた、小さく囁いた。
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