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【文スト】僕の兄さん【BL】

第12章 太宰弟



未だ息がある男に僕は或ことを考えた。
僕が経験した中で1番辛かった訓練の成果…此処で出せるのではないか。
そう思った途端僕の体は動いていた。

主「さようなら…永遠に。」

ザシュッ


男の喉元を掻き切る僕のナイフ…そしてその直後に噴出されるこの男の血によって僕は真っ赤に染まる。
ドロドロしているにも関わらず、僕の表情は明るかった。

主「人間の血って…こんなに綺麗だったんだ。」

その一言を言い、僕はその場を後にした。
血に塗れた黒薔薇の花弁を残して…。





広「森殿、新しく我々の傘下になる筈だった組織の長が先程何者かに殺された様です。」

森「成程、大方前の所属先のマフィアに殺された所かな。」

広「その様です。」

森「未だ泳がせておいてもいいかもしれないね。若し直接こちらに関わるようになったら潰せばいいさ。」






主「只今戻りました。」

幻「おかえり、劉娥。その真っ赤な様子を見る限り…成功したんだね。初仕事お疲れ様。」

主「ありがとう御座います。」

薔「ふん、あんな簡単な仕事に失敗する方が可笑しいのよ。」

幻「まあそうかもしれないけどさ。劉娥、これから君にはこの様な仕事が多く来る。一つ一つ確実に早く殺せるようになりなさい。」

主「はい。」

此処で僕が交わす言葉は少ない。
何時か僕は無口になる気がする。




そして訓練、実践を積み、時は経っていった。
僕は14歳となり、幻条や薔薇にも劣らないほどに戦闘力を付けてきた。
僕には異能力がない。
その欠点を補う為に僕は日夜訓練と任務に励んでいた。


幻「来週大きな組織抗争がある。私の組織も参戦する積りだ。君も参加してくれるかい、劉娥?」

主「勿論…。相手は?」

時が経つに連れ、僕の口数は減り、表情も固くなっていった。
今回の抗争の相手によって僕の武器の数は変わる。
集ら相手は知っておきたかった。

幻「ポートマフィア。」

聞いたことはあった。
夜の横浜を統べる最強最悪の組織であると…。

幻「今回の任務には私も薔薇姉さんも参加する。君は何時も通りに暴れてくれればいい。」

主「はい。」

幻条と薔薇の参加は僕達の戦力を大幅に上げるものだ。
これ迄僕が殺してきた人間の数は計り知れない。
その分黒薔薇の花びらも多く散ってきた。
今回も花弁を散らす…
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