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【文スト】僕の兄さん【BL】

第13章 太宰弟2



劉娥side

目が覚めると…そこは初めて見る天井だった。
何があったのか、記憶を辿り、思い出すまでにそう時間はかからなかった。

主「光影…様。」

身体を起こし、つい口から出てしまったその言葉は酷く平坦なものだった。

太「目を覚ましたようだね、劉娥。」

横を見ると、僕の兄…太宰治と名乗る男がいた。
あの時光影様が言っていたことは本当なのか…この男は本当に僕の兄なのか。
僕が混乱している内に彼は話し始めた。

太「何があったか…覚えているかい?」

その声はとても優しく、慈愛に満ちていた。

主「ねぇ…光影様は?」

忘れてなどいない…光影様はあの時、僕を庇って倒れた。
この目で見たものではあるが、信じたくはなかった。

太「亡くなったよ…君も見た通りだ。」

主「何処にいるの?」

太「安心し給え、ちゃんと墓は用意してある。」

それを聞いて安心した。
行こうと思えば何時でも会いに行けるのだ。
然し僕が知りたいのは其れだけでは無い。

主「本当に…僕の兄さんなの?」

太「嗚呼、私は太宰治。正真正銘、君の兄さ。」

主「そうか…確かにあの時薔薇様の異能力を無効化した彼の能力は、兄さんの…だったね。」

太「よかった、覚えていてくれて。」

久しぶりに兄さんとこうして話せたのが嬉しくて、少し頬が緩んだ。

太「そう言えば劉娥、これからどうするつもりだい?」

嗚呼…確かに、その事は考えていなかった。
でも…もう、兄さんとは離れたくない。

主「特に考えて無い…でも、折角兄さんに再会出来た。だから、もう、兄さんとは離れたくない。兄さんと一緒にいたい。」

そういった途端…兄さんはとても嬉しそうに僕の頭を撫でてくれた。

太「ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ。でも、劉娥、私 は今ポートマフィアの一員だ。危険な仕事も沢山あるだろう…それでも、私と一緒に居たいと思うかい?」

そんな事…決まっているだろう。
僕は今まで幻条光影の元でマフィアの構成員をしていたのだ。

主「思う…僕も、マフィアだったから。一緒に……仕事とか、したい。」

太「決まりだね、これから一緒に暮らそう。宜しくね、劉娥。」

こうして、僕はポートマフィアの一員として兄さんと過ごすことになる。
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