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【文スト】僕の兄さん【BL】

第12章 太宰弟



家と思われる立派な建物に到着すると、先ず目に入ったのはサングラスをかけた黒服達。
中に入ると黒服は居ないが、多くの使用人がいた。

使「お帰りなさいませ、旦那様。薔薇(しょうび)様がお待ちで御座います。」

幻「嗚呼。劉娥、着いてきてくれ。」

主「はい、旦那様。」

僕は周りの使用人が呼んでいる呼び名で呼んだ。

幻「旦那様と呼ぶな。あれは彼らが勝手に呼んでいるだけだ。君は光影と呼びなさい。いいね?」

主「はい、光影(こうえい)様。」

僕には優しくしてくれるらしい。
本当に…信じても良いのだろうか。

幻「もう直ぐ薔薇姉さんの所に着くよ。最初は大変かも知れないけど、慣れれば仲良くなれる筈だ。宜しく頼むよ。」

主「承知致しました。」

敬語というものは兄さんと少しだけ学んだことがある。
然しこの男が云う姉とはどれ程の者なのか…不安が募って仕方無い。

ガチャ

扉を開けると、そこには紅が似合う可憐な女性が座っていた。

幻「劉娥、彼女が私の姉の薔薇だ。挨拶を。」

主「はい。」

僕はその女性、薔薇の元へ歩いて行き、跪いた。

主「お初にお目にかかります、薔薇様。本日より此方でお世話になります、太宰劉娥と申します。以後、お見知り置きを。」

薔「あら、こんなガキが来るなんて聞いていないわ。どう云う風の吹き回しかしら、光影が子供を遣わすなんて…。」

見た目に合わないキツイ性格…この事か。

幻「まあまあ、姉さん。折角新しい者を連れてきたのだから、我々について少し知ってもらおうよ。」

薔「仕方ないわね、私は餓鬼だからといって優しくしないから。よく聞きなさい。」

その後、そこで彼等、幻条家の家業を教わった。

薔「私達幻条家の人間は代々マフィアのボスとして組を治めてきた。組の名は烈火、現統領はそこの光影。ここまでは分かったな?」

主「はい。」

そんな物騒な所へ僕は来てしまったのか…これ程までに逃げ出したいと思ったことは無い。

幻「集ら劉娥には一流のマフィアになってもらう為に修行を課そうと思うんだ。いい、姉さん?」

薔「別にいいけど、こんな小さな餓鬼に務まるの?」

薔薇の言う通りだ。
僕にはそんな強さはない。

幻「務まるように鍛えるんだよ。」

その顔はマフィアらしく恐ろしかった。
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