第12章 太宰弟
夜__________
太宰兄弟は何時も通り異能力者を狙っていた。
計画通り異能力者を捕え、襲おうとした…
その時…
?1「今だ!」
ズドドドドド
太「奇襲か…っ!」
主「…ぁ!」
太「劉娥!! …ぐぁっ!」
軽々とした身のこなしで数多の銃弾を避けたものの、劉娥の横腹に3発と腕に4発の計7発が掠り、太宰の背中に1発と脚に3発の計4発命中し、2人は力が抜けたようにその場に倒れた。
主「に…さん。」
太「劉娥…。」
2人が互いに手を伸ばし、掴める距離まで近づいた瞬間…
?1「異能力『眠れる仔羊』」
捕らえていた人間が異能力を発動した。
その直後…劉娥は意識を失った。
然し、太宰は意識を保っていた。
?1「ほう…異能力が効かぬ子供か…仕方無い。力づくでも連れていくぞ。」
広「そうはさせません。」
?1「誰だ、お前は?」
?2「嘘だろ…何故この様な場所にポートマフィアが!?」
太「ポート…マフィア?」
?1「くそっ、次こそお前を連れていく!行くぞ。」
?2「はい!」
2人は消える時、劉娥を攫って行った。
太「待て、劉娥を…返せ!」
太宰はただ1人残された状況で…今まで誰にも見せてこなかった涙を零した。
広「少年。」
太「私には…劉娥が必要なのに…。」
広「彼奴等は最近出てきた人売りの組織、"夢憂舞(むうま)"。首領である異能力者は式部征太郎。」
太「むぅ…ま。」
広「我々と手を組み、弟さんを助けませんか?」
太「出来るの…?」
広「勿論、此方には勢力があります。貴方にとって、有益な事しかないかと…。」
太「分かった…必ず、劉娥を取り戻す。」
広「それでは先ず、我々と共に拠点へ。」
太宰は広津と共にポートマフィア拠点であるビルへと向かった。
一方で…
式「何時見ても此の子供は本当に美しい。そうは思わないか、島津?」
島「ええ、私も同感でございます。」
式「此奴が売れるとなると…幾らだろうな?」
島「屹度今までにないほどの高額で御座いましょう。」
劉娥は夢憂舞によって売られる事となっていた。