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【文スト】僕の兄さん【BL】

第11章 新しい任務



犯「聞く、聞くから!命だけは助けて!」

無様に泣き叫ぶ犯人…この目を見るのが昔は大好きだった。
そう、昔は…。
今はと言うと…嫌いといえば嘘になる。
今だって少しワクワクしている…。
然し、僕はもう他人を救う側になると約束した。
だから…此の人も殺さない。

主「それなら…僕の言うことを復唱して誓ってください。」

犯「分かった!誓う、何を言えばいい?」

でも少しくらい…遊んでもいいかな?

主「"許して下さい"」

犯「許して下さい!!」

犯人の必死そうな顔を見るだけで…気分が高揚するのを感じる。
此れ位怯えている人間はとても面白い…。
相手を見下すような声を出したまま言う。

主「"もうしません"」

犯「もうしません!!」

主「"罪を償い、心を入れ替えます"」

犯「罪を償い!心を…いれか、ぇ、ます…」バタン

あーあ…恐怖で倒れた、つまらない。
所詮は唯の弱者…強ければ此れ位恐怖にも思わなかっただろう…骨の無い者には分からないだろうが。
表情と声を元に戻す。

主「ほかの誰が許そうと、僕は許さないからね…もう、聞こえないと思うけど。」



太「すっかり怯えて気絶までさせてしまうなんて、相変わらず劉娥は怖いね。」

満面の笑で近付いてくる兄さんの声に僕は振り返る。

主「そんな事ない…僕はもう"あの頃"とは違う。」

太「そうだね。劉娥は強くなった…身体も、心も。」

犯人を拘束する…出来ればすぐにでも帰りたい。

主「被害者は無事…?」

太「命に別条はないよ…唯…。」

主「ただ?」

太「心に深い傷をおったはずだ。回復するまでに長い時間が掛かるだろう…可哀想に。」

人間…特に女性は心が脆い事が多い。
1度傷ついたらすぐには治らない。

主「被害者の共通点は…長く美しい髪を持つ、若い女性だった。」

嫌な予感がして端末でとある物の行き場らしき場所を調べる…。

太「そう、然し私達が発見した被害者は皆髪が短かった。つまり…」

主「あった…。」

探していたものが見つかった。
端末の画面を兄さんに見せると、兄さんは一瞬目を開き、すぐに目を伏せた…。

主「被害者の髪は矢張り全部…闇市で高値で売られていたよ。」
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