第11章 新しい任務
主「それで…?実際はどうするつもりですか?」
犯「それはきっと他の女性を見れば分かる。…頭の良い君ならすぐに分かるさ…。」
不敵に笑う犯人を見て僕は激しい悪寒に襲われた…まさか。
そう思い、他の被害者に目を向ける…僕の眉間に一瞬皺がよった。
そこには大量の短髪の女性が横たわっていた…皆、隈が酷い。
主「成程…被害者の皆さんは髪を切られた上、夜も眠れないほど酷いことをされてきたのでしょう…可哀想に…綺麗なのに。」
犯「随分と他人事のように言うな。君も直にこうなる…覚悟しておくといい。」
覚悟…ねぇ?
主「どう?そろそろいいと思うんだけど…兄さん?」
犯「兄さん…だと?」
入口から紙飛行機が飛んでくる…兄さんからの合図が来た。
主「もしかして…気付かずに近づいたと?…この僕に。」
段々地声に戻していけば、犯人の顔もそれに連れて青くなっていく。
主「さあ…楽しい追いかけっこを始めよう!」
太宰side
劉娥の表情が狂ったかのような笑顔に変わる…此れは昔よく見た顔。
主「ほら…ぼーっとしていると…捕まえちゃうよ?」
今でも偶にこうなる劉娥だが、昔とは少し違う。
私もつい先日気づいたことだが、劉娥の眼に光が残っている…本気で相手を殺そうとしている訳では無いとこれで分かる。
犯「クソっ!如何して効かないんだ!お前は何者だ!?」
主「…僕は…唯の探偵ですよ…武装探偵社の…ね?」
犯「真逆、あの武装探偵社!?」
ここまで追い詰めれば彼もそう簡単に襲ってこないだろう…。
却説、私は女性達を助けるとしよう。
そうして女性が横たわっている場所につく…酷い有様だ。
長髪の女性ばかりを狙う犯行と聞いていたが、全員短髪で隈が酷い。
ほんの少しの隙間に白く濁った液体が落ちていることから、此処で何が行われていたのかは察しがつく…可哀想に。
劉娥side
兄さんが他の女性の方に向かった気配がした。
僕は此の男を捕まえるだけ…捕まえやすいように怯えさせておいた。
主「あれ…もうお終いですか?…つまらないの。」
犯「く、狂ってる…」
主「狂っていて結構!僕は君のように怯えている者を見るのか大好きなんだ。さあ、僕のいうこと…聞いてくれるね?」
そう言ってナイフを向ける…。