第11章 新しい任務
太「そう、ご褒美。私が劉娥のお願いを1つ何でも叶えてあげよう!」
ご褒美…あるなら頑張れる気がする…。
主「僕の…お願い?」
太「そう!だからやってもらえないかな?」
そこまで言うなら…やらなくもない。
主「やる。頑張る…。」
太「よかった。ありがとう、劉娥。」
僕の頭が撫でられる。
嬉しくて自然と表情が緩む。
明日…頑張らなくては…。
主「明日、宜しくね、兄さん。」
太「分かっているよ、劉娥。」
太/主「「おやすみ…。」」
僕達は同時に眠りについた…勿論、抱き合いながら。
翌日
今日はよく眠れた…気がする。
もし任務が滞りなく遂行できたら…何を頼もう…?
太「緊張してる?」
主「別に…何か、懐かしいから。」
昔このように女装したことが何回があった。
最近やっていなかっただけあって違和感が残る…。
変装、声帯模写…完璧。
主「もう行ける…。」
太「それじゃあ、眼鏡と耳飾り…絶対に外さないで、いいね?」
主「分かってる…。」
此の2つは事件解決の決定的な証拠となる…外してはいけない。
主「あー…あー…分かってるよ。」
女性らしい声を出してみる…うん、鈍っていない。
主「行ってきます…兄さん。」
太「行ってらっしゃい。」
犯人が現れそうなところで1人待っている…意外と暇。
携帯電話でも弄っていようか…。
それにしても、兄さんへのお願い…どうしようかな。
主「悩むなぁ…。」
犯「そこにいるお姉さん、今暇だったりする?」
昨日のように話し掛けてくる犯人に僕は驚きを見せなかった…。
こんなにもすぐに見つかるものか…?
主「え…私、ですか?」
多少疑いを持ち、恐れた方が相手を騙せる。
僕が今までに学んだことは全て無駄ではなかった。
そして無事…相手から悟られることなく敵陣地へ…(廃工場)
主「ここ…は?」
犯「まだ気がついていないのかい、ここ数日起こっている女性連続誘拐事件の被害者に君がなったんだ。光栄に思うといい。」
成程…彼の考え方はよく分かった。
場所も兄さんはもう特定出来ているだろう…。
主「私を…どうするつもりですか?」
犯「如何すると思う?」
主「売るか…殺すかですね…多分。」
犯「半分正解、半分不正解。君は頭がキレるようだ…面白い。」