第8章 ターゲット
無理やり連れてこられたのはそのボスと思われる男の部屋…無駄に綺麗で気持ちが悪い。
男4「初めまして、太宰劉娥さん。私は春崎崇志、この組織の長を務めている。」
意外と若い…推定年齢は25~32歳か…。
こんなことをしておいて随分穏やかな名前…名前が可哀想…。
此処でも僕は黙っていた。
男4「君達は下がっていなさい…扉の外での警備も不要だ。」
その男が不気味に笑ったように見えて…鳥肌が立った。
何か嫌な予感がする…此処を離れるべきだとは思っている。
然し今僕は仮にも拘束されている身…反逆など出来るわけがない。
男4「警備も外したし、もう此処に居るのは私と君だけだ。そろそろ何か話してくれないかい?私は君の声が聞きたい。」
それは女性に言うべき事だと思うが…。
否、何を言われようと何も話さないでおこう。
男4「意地でも口を開かないつもりかい?それなら仕方が無いね…。」
一気に悪寒が走った…更に拙いことになった。
僕が苦手…否、嫌いな首輪をされてしまった。
元々手枷はあったからここまでされると僕も何も出来なくなってしまう…恐怖心が掻き立てられるばかりだ。
主「…!?」
男4「いいね、その顔。元々整った顔立ちをしているから更に唆られる…そうだ、もっとぐちゃぐちゃにしてしまうのもいいかもしれない…。」
僕の中で警報音が鳴り響く…逃げなければ…。
男4「逃げるなんてしないよね…?できないよね?」
この人…本当に危険だ。
次の瞬間…僕は信じ難い光景を目にしてしまった…否、目にしたよりもその場に居たと言った方が正しい。
その男が僕に接吻をしてきた…身動きが取れない僕は反撃できず、されるがままになってしまった。
主「…ッ!!」
あろう事か、舌が捩じ込まれてくる。
知らない…こんなもの知らない…兄さんは教えてくれなかった。
怖い…気持ち悪い…何これ…。
主「…ん…ふぅ…んぁ…」
変な声が出てしまい、自分でも混乱している。
男4「ちゃんと感じてくれているんだね…嬉しいよ。」
そう言いながら何度も唇を押し付けてくる。
男4「私はね…君が闇市で懸賞首だと言うことを聞いてとても驚いたんだ。君のような綺麗な人間は極わずかしかいない…男女問わずね。だからどうやら私は君に一目惚れしてしまった様だ。」