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【文スト】僕の兄さん【BL】

第8章 ターゲット



僕の背中に銃弾が着弾した…幸い致命傷には至らなかったものの、衝撃はそれなりのもの。

主「ッ!!…ァ…グッ…。」

毒が塗られた弾が体内に接触したとあり、身体に力が入らない…。

敦「劉娥さん!」

主「近寄るな!…ゲホッ…僕は大丈夫…。中島くんは…社に…も、どっ…て…逃げ…て。」

遠のく意識の中、中島くんに言伝を託した…此れで、多少は捜査がしやすいだろう。
そして僕は…完全に気を失った。



太宰side

盗聴器で聞いていたからわかる…劉娥が撃たれた…而も、倒れた衝撃で劉娥の盗聴器は壊れてしまった。
敦くんに後は任せるしかない…然しこれだけは言える…。

太「劉娥はまだ生きている。」

国「おい、太宰。先刻の銃声は何かに命中した筈だ。何に当たった?」

分かっているだろう…そんなこと。

太「…。」

私が黙っていると、察したのか国木田くんが焦り始める。

国「ま、まさか…。」

太「嗚呼、劉娥が撃たれた。」

国「クソっ…おい、何故そう落ち着いていられる…弟だろう!!」

太「弟だから…落ち着かなければならない。弟の考えていることは分かる…血の繋がった兄弟だからね。」

そうして私は1人で武装探偵社を後にした。


夢主side

背中が痛い…早く兄さんに会いたい…。
その為にはこの1件を早く終わらせなければ…。

主「……ィッ! ゲホッ…。」

今の咳でバレたのだろう…男が数人近付いてきた。

男1「起きたか…。気分はどうだ、武装探偵社の太宰劉娥さん。」

主「…。」

男2「チッ…黙りかよ。」

たとえ相手の神経を逆撫でしたとしても、黙って耐える。
昔兄さんが言っていたこと…今分かった。
然し狙いが分からない限り下手に出れない…矢張り僕に懸けられている懸賞金のことか?

男1「ウチのボスがアンタだけでも連れて来いって煩くてな。偉くアンタのことを気に入った様だが…残念ながらお前は売りモンだ。大金が懸かっている。」

男3「おい、ボスがお呼びだ…行くぞ。」

僕は黙ったまま連れていかれる。
僕は何も話していないのに話が進んでくれる…盗聴器さえ無事だったら…。
でもきっと兄さんが感じ取って来てくれるはず…。
中島くん…成功出来たよね…?
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