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【文スト】僕の兄さん【BL】

第7章 太宰兄弟



太「どうしたんだい、劉娥?」

主「何でもない…寝よ?」ギュッ

今は顔を見られたくなくて、兄さんに抱き着いて顔を隠した…筈だった。

クイッ

兄さんが僕の顔を自分の方に向ける。

主「ふぇ…?」

太「どうして…泣いているのかを聞いたのだけど?」

兄さんが優しく話しかけてくれた…そのせいで僕の涙は止まらない。
もう何をしても兄さんにはバレてしまう…言ってしまおう。
それで兄さんに拒絶されて…軽蔑されて終わるんだ。

主「怒らない?」

太「嗚呼、勿論怒らないさ。言ってごらん?」

僕は勇気を出して言ってみることにした。

主「うん。僕ね…おかしいんだ…。」

太「如何して?」

主「男の子なのに…僕、兄さんのことが好きなの…兄弟としては勿論だけど…グスッ…兄さんに、恋心を抱いちゃった…。」

言ってしまった…まともに兄さんの方を見られない。
涙は余計溢れてくる。

太「…。」

兄さんが驚いた様子で僕の方を見ている…。
これで…嫌われちゃうよね、僕…。

主「ね?僕、おかしいでしょ?」ギュッ

急に兄さんが僕を抱き締める力が強くなった。
怒らせたのかもしれない。

太「おかしくなんてないよ。劉娥は本当に私のことを好いてくれているのかい?」

優しい口振りで、兄さんが怒っていないという事は分かった。

主「うん…僕、兄さんが好き。」



太宰side

劉娥が私を好いていると言った…。
正直驚いたし、最初は信じられなかった。
兄弟としてでもないと言ったのだから…。

主「やっぱり…僕のこと嫌いになったよね…?」

私が黙っていたせいで劉娥が悲しそうにする。
私も意を決して伝えようと思う…ここまで言ってくれた弟を放っておけるほど私は冷酷ではない。

太「嫌いになるものか…嬉しいよ、劉娥。私も劉娥が好きだ…否、愛していると言った方が伝わるかな?」

キザなことを言っていると自分でも思う。
でも確り言わなければ劉娥の勇気を無下にしてしまう。
それに、今までの私の気持ちが報われた気がするから…。
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