第7章 太宰兄弟
僕も兄さんも大分疲れている…でも、風呂を済まさなければ眠れない…。
主「兄さん、先に風呂…行く?」
太「ぅ…行ってくる…。」
主「そんなに疲れる…?」
兄さんの様子は心配だけど風呂まで行くのを見送って僕は軽く酒を飲んだ…どうしても、今日ナイフに気が付かなかったことが悔しかったから。
主「兄さんが来なかったら…僕は死んでいたかもしれない…。」
太「死なせないさ。」
いつの間に…!
太「どんなことがあっても、劉娥は私が守る。」
さすが兄さん…。
主「かっこいい…。」
太「さあ、劉娥も風呂に入って来るといい。」
主「分かった…その代わり…」
太「何だい?」
主「僕が戻ってくるまで…絶対に寝ないでね。」
太「勿論。それと…先刻まで飲んでいた酒の残り、私が飲んでしまっても?」
少し飲んで考えていたからまだ酒が残っていた。
僕ももう飲まないしいいだろう…。
主「うん、いいよ。それじゃあ…行ってくるね。」
太宰side
劉娥を傷つけようとしたあの密売人を未だに許せない…彼等の所属は何処の組織なのか…。
それは明日考えるとしよう。
それより重要なのは劉娥のこと…私の弟は何故あんなに可愛いのか。
太「兄弟として…か。」
抱いてはいけない恋心を抑えきれずに最近はよく頬が緩んでしまう。
手が出ないだけまだ良いのだが…。
夢主side
最近、僕は気が付くと兄さんのことを考えている。
兄さんは何時もかっこいいし、僕を守ってくれる…。
こんなにも暖かい気持ちになるのは恋心というものだと昔誰かが言っていた。
それで僕は気づいてしまった…僕は兄さんが好きなんだと…。
主「僕が女の子で…兄さんと血が繋がってなかったら…もう少し可愛がって貰えたかな?」
風呂上がりにそのまま兄さんの元へ戻った。
主「ただいま…。」
太「おかえり。それじゃあ時間も遅いし、寝ようか。」
兄さんへの気持ちがどんどん膨らんでいく…ダメなのに…兄弟だし、男の子なのに……
主「うん。」
兄さんのことを考えすぎて…混乱してくる。
太「劉娥?」