第7章 太宰兄弟
太「ただいま〜!」
あれから兄さんはいつも通りの兄さんに戻っている。
国「例の密売の件は解決したのか?」
主「はい、密売人2名を軍警に…。」
ここで1つ問題が発生…兄さんが僕から離れてくれない。
太「ぅ〜、劉娥ー。私は今全くもってやる気が出ないのだよ〜。」
主「先刻までのテンションはどうしたの…?後数時間の辛抱でしょう…。」
いつもこの通りである。
この後はずっと報告書などの書類仕事で1日を終えた…辛かった。
太「やっと帰って来られた…。」
あまり動いていないはずの兄さんが先に倒れる。
1つしかない布団の中で2人で寝る分には少し狭いような気もするが、これが僕達の普通である。
兄さんに続いて僕も倒れる。
主「疲れた…。」
太「私もだ…。あ〜、劉娥。」
主「何…兄さん?」
太「今日は何故避けなかったんだい?」
屹度昼のナイフの件だろう…。
主「あれくらいなら、避けられると思った…。」
此れは嘘…本当は気が付かなかった。
兄さんが助けてくれなければ、僕は確実に刺されていた…。
どうやら僕に余裕が無かったらしい…悔しいことに。
太「嘘だね…私には分かる。避けられなかったんだろう?気がつかなかったから…。」
主「はぁ、矢張り兄さんには嘘をつけないね。そうだ…兄さんがいなかったら刺されていた…ありがとう。」
太「はっ…劉娥が私にデレてくれている…!」
主「何時もだよ…。」
兄さんが僕に抱きついてくる…僕は何時ものようにそれに応える。
太「心配した…少し焦った。」
主「ごめんなさい…。」