第5章 入社試験
太宰side
相手が此方の情報を知っている以上、私は何も出来ない。
それにしても…劉娥、本当に怖がっているね。
何とかして之を早く終わらせなければ…!
太「敦くん。」
敦「嫌ですよ!」
太「まだ何も言ってないのに…。」
察しがついたのかな?
太「情報を知られている私達は何も出来ない。だから敦くん、君にやってほしい。」
敦「うっ…。」
太「之を使って駄目人間を演じるんだ。やってくれるね?」
私が差し出したのは新聞。
果たして敦くんはやってくれるのか。
敦「分かりました、やります。」
却説、どんなものになるかな?
敦「や、止めなさ〜い!」
?「誰だ、アンタ?此処の社員じゃないな?」
おや、随分気の抜けた言葉だね。
敦「はい、僕は只の通りすがりの新聞配達員です。」
?「それで、新聞配達員が何の用だ?」
敦「お、親御さんが悲しんでいるよ!」
?「煩い!これから皆死ぬんだ!」
敦「生きていれば良い事あるよ!」
?「例えば?」
お、よくソコをついたね。
敦「え…例えば?」
若しかして敦くん…見切り発車?
敦「ちゃ、茶漬けが食える!」
え?
敦「天井のある所で眠れる!当たり前のように朝が来る!」
あーあ、相手引いてるよ。
敦くん…若しかして変なスイッチ入っちゃった?
敦くん演技を超えた駄目人間になってしまっているね。
敦「〜だから、一緒に仕事探そう?」
敦くん、それは違うと思う。
?「否、ボクは仕事を探していないし…」
まぁ、いいとするか。
太「国木田くん、今だ!」
国「分かっている!」
異能力━『独歩吟客』鉄線銃
?「しまっ…。」
太「確保!」
国木田くんが犯人を捕らえる。
…が、何故か爆弾のスイッチが押されてしまった。
ピッ
敦「え、如何して?」
残り時間は30秒を切った。
ー残り15秒
敦「えぇーい!」
敦くんがナオミちゃんと劉娥を突き飛ばして爆弾に被さった。
先刻私が言った事を思い出したらしい。
何て横暴なことをするんだろうね。
勿論、私は劉娥を受け止めたよ。
ナオミちゃんは国木田くんに任せた。
太「莫迦!」
残り時間3秒ー2秒ー1秒ー0秒…