第4章 虎退治
太宰side
とある食事処ーそこには茶漬けを頬張る中島敦、説教をしている国木田独歩、そして説教を受けている私と、つい眠くなって私の肩を借りて眠る私の弟劉娥の4人が席に座っていた。
あまり他人には見せたくないが、今の劉娥はとても無防備で可愛い。
国木田くんの説教中でなければ接吻を落としたいくらいだ…
劉娥side
敦「無理だ、奴に人間が適うはずが無い!!」
僕はその声を聞いて目を覚ました。
主「如何したの…?そんなにムキになって…。」
太「虎について、君は何を知っている?」
成程、虎の話をしていたのか…。
その後、中島くんは虎についていろいろ話してくれた。
僕がカフェで聞いたことと同じ…でもいくつか引っ掛かる。
耳打ちで兄さんに聞いてみよう…
主「兄さん、少し可笑しい気がする…」
太「劉娥、その考えは合っているよ。でも、まだ言わないでくれるかい?(ナデナデ」
主「うん、分かった…。」
流石兄さん、すべて言わなくても分かってくれる…
それに、頭を撫でてくれた…幸せ…
太「敦くん、この後暇?」
兄さん、もう行動に移すんだね…?
敦「も、若しかして…」
太「虎退治を手伝ってくれ。」
敦「えぇーー!!嫌ですよ!それって詰り餌ってことでしょう!?」
普通そうなるよね…でも僕の予想が合っていれば…
主「報酬…出るよ…?」
敦「報酬!?…因みに参考までにですが、どれくらい…?」
兄さんが数字を見せる…あ、中島くんの目が¥になった…。
矢張り食いつく…孤児院から追い出された無一文の青年が大金に食いつかない訳がない。