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【文スト】僕の兄さん【BL】

第4章 虎退治



第三者side

とある倉庫ー
太宰と劉娥は2人で1冊の本を読んでいた。
而も太宰は劉娥の肩を抱きながらー
傍から見たら恋人のようにも見えるが、彼らは兄弟である。
彼らを怯えながら見る中島敦は何処かぎこち無い。

いつ虎が来るのか…彼らは宣言通り虎を捕まえられるのか…それが心配なのだろう


太宰side

虎が来るのを待つ中、私達は完全自殺読本を読んでいた。
劉娥は私に甘えて肩に頭を乗せてくる。
私はそれに応えて劉娥の肩を抱く。

正直、私の表情筋には限界が近付いていた。
気を抜いたら頬が緩んでしまう…。

主「兄さん、大丈夫…?」

危ない…手が止まっていたらしい。
人の変化に敏感な劉娥にバレないよう誤魔化す。

太「何でもないさ、ただタイミングを考えていただけだよ。」

主「そう…っ!もうそろそろ…来る。」

劉娥が窓から見える空を見る。
矢張り劉娥は頭がいい。


劉娥side

兄さんが全て今までの違和感を話した。
その結果…中島敦は月下の異能力者だということが分かった。

主「これ、僕はどうするべきだろう…」

太「陰に隠れてい給え。私がこの場を収めるよ。」

主「分かった…。」

僕も兄さんと同じ異能力者…でも兄さんがこの場を収めてくれる…。
加えて僕の異能力は兄さんの異能力と同時に発動できない。

太「獣に食われる最期も良いけど…約束を守る為に…」

異能力ー『人間失格』

中島くんは無意識のうちに虎になる…それを本人は知らない…本当に可哀想。

太「劉娥以外の男と抱き合う趣味はない。おいで、劉娥」

兄さんが両腕を広げて待っている…此れは、良いのかな?ギュッ

太「今つい勢いで言ってしまったけど…ちゃんと抱擁してくれて良かった。」

何だろう…この感じ…。

主「兄さんとなら…此れ、嫌じゃない。」

暫く…此の儘でいたい。
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