第8章 増えた愛
遼side
「坂間さん、お疲れ様でした。」
「おー。」
「・・・今日も駄目でしたね。」
「・・・。」
「このままではいつまで経っても変わりませんよ。」
分かってる。
分かってるんだ、そんなこと。
けど、最近、遥の事が思い浮かぶ。
遥だったらこんなの嫌がるだろうな、とか。
怒るだろうな、とか。
「そうだな・・・。」
そろそろ考えるか。
これからの事。
「俺はこの後用事があるので行きます。」
「・・・そうか。」
「・・・遥さんをもう一度病院へ連れていこうかと。」
病院?
やっぱりまだ・・・
「俺も行く。」
「俺は構いませんけど、遥さんが何と言うか・・・」
「俺から頼む。」
「そうですか・・・。坂間さん、遥さんをあまり責めないでくださいね。彼はまだ未成年なんですから。」
「何が言いたいんだ?」
須賀野は何も言わず部屋を出ていった。
俺も急いで準備をし、遥の部屋へ向かう。