第8章 増えた愛
遼side
最近遥の様子が変だ。
熱を出した上に嘔吐を繰り返している。
病院に行ったらしいが本当に問題は無かったのか?
もう一度一緒に行った方がいい気がする。
熱を出してもうすぐ1週間だぞ?
まさかとは思うが、性病・・・
いや、考えすぎか?
何を聞いても遥は素っ気ない。
ずっと下を向いている。
何か話しかけようとしても、すぐ黙り込む。
一体何を隠してるんだ?
「坂間さん?聞いてます?」
「あ?」
「仕事場ですよ?しっかりしてください。」
「すまない。」
今は仕事に集中しねぇと。
今日は借金返済。
きっちり返してもらわねぇと、こっちも赤字だ。
「お願いしますっ!あと1ヶ月だけ待ってください!」
「前回もそう言ってたな。流石にもう待てねぇぞ?それとも、アンタの臓器を売り飛ばすか?そうすれば全額返済できるだろ?」
「っ!それ・・・は・・・」
「もしくは・・・アンタの子供を売る。」
「っ!?!?」
「確かΩだったよな?顔立ちも悪くない。どうだ?全額返済と取り引きしてもいい。」
「そんな・・・」
出来るわけねぇよな。
俺だったら無理だ
遥を売るなんて出来ねぇ。
「もういい。また来月だ。いいな?」
「はい!」
「・・・坂間さん、丸くなってきましたね。」
「普通だろ。」
こんな姿、遥には見せられない。