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【R18】最高の結婚

第8章 増えた愛


遥side

「篠田さーん。」

「はい。」

須賀野さんには産婦人科に送ってもらった。
ここは何度も来たことがある。
来る度に小さな命を捨てた。

「・・・森田先生。」

「やぁ、久しぶり。」

「急にすみません。」

「君はいつだって急だろ?・・・今日も下ろしに来たのかい?」

「そのつもりです。まずは検査してもらおうかなと。」

「いいよ。こっちに。」

森田先生は僕の話をよく聞いてくれる。
それこそ、妊娠した理由まで話してる。
その全てがレイプだった。
話を聴いてくれると同時に、僕の傷ついた精神までも癒してくれた。

「・・・珍しく話さないんだね。今までどこに?行方不明中のはずだろ。」

「それは・・・言えません。」

「そうか。そんな深追いするつもりは無いよ。ただ、今までの様子とは違うから何か理由があるんだろう。」

「すみません。」

遼君との事は誰にも話せない。
話したらどうなるか分からない。


「検査結果だけど。妊娠してるね。それもかなり経ってる。下ろすか下ろさないか決めるのは1週間が限度だよ。・・・しっかり相手と話し合って決めなさい。」

「っ!どうして・・・」

「・・・迷ってるだろ。恐らく、愛する人との子供じゃないのか?あの親友との子か、全く違う人との子か。それは分からないが、決めるのは君次第だ。いいね、1週間だよ。」

「何でもお見通しなんですね。」

「何でも・・・じゃないよ。ただ、君の気持ちは何故か分かってしまうんだ。これも何度も君を診てきたからだろうね。」

「・・・ありがとうございました。・・・また来ます。」

「・・・いい答え待ってるよ。」

診察室を出る時に、笑顔で手を降って見送ってくれた。
やっぱりいい先生だ。
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