第7章 ヤクザの恋人
遼side
あまりのショックに遥は意識を失った。
急いで車に乗り込み、屋敷へ向かった。
「・・・お前よくここだと分かったな。」
遥の居場所を当てたのは須賀野だった。
発信機も置いていった状態だったから何の情報もなかった。
「昨日、仕事から帰って来た際、遥さんがあなたの部屋にいたの覚えてますか?」
「あぁ。」
「その時、様子が変だと思い、遥さんの後ろにあったテレビをこっそり着けたんです。そしたら、遥さんが行方不明になっている事件のニュースが流れていたため、ここかと。勘が当たって良かったです。」
「自分で話をつけに行ったって事か。」
また無理をしたのか。
何故1人で何も言わずに行ったんだ。
せめてどこに行くかだけでも手紙に書いて欲しかった。
「遥さんを責めないでくださいね。今はかなり精神的に辛い状態です。」
「分かってる。」
そもそも俺が遥を連れ去ったから悪いんだ。
「・・・坂間さん。これもあくまで俺の勘ですが、内通者が居るかと。」
「どういうことだ?」
「ここ最近、あなたの部屋の引き出しの中身が入れ替わってることがあります。あなたの部屋を出入りして、書類を整理しているのは俺です。仮に入れ間違えだとしても、多すぎるんです。部屋出る時に何度も確認してるのですが、次来た時にはまた変わってます。」
内通者か・・・
信じ難いことだが、珍しく冷汗をかきながら話している。
「・・・そうなるとお前が1番怪しいがな。」
「自分から犯人を名乗り出る馬鹿なんていませんよ。」
「それもそうかもな。分かった。考えておく。」