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【R18】最高の結婚

第7章 ヤクザの恋人


遥side

『遥。愛してるよ。』

知ってるよ、そんな事。
拓真の何倍も僕は愛してるけどね。

『そっか。』

これはいつの記憶?
制服着てる。

『なぁ、遥。』

何?

『・・・幸せになれよ。』

っ!!

その瞬間、拓真はガラスのようにひび割れて消えてしまった。

「はっ!!」

目が覚めた。
夢だったんだ。
・・・いや、現実と変わりないじゃないか。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

息切れと冷汗が尋常でない。
見渡すと僕の部屋だってことが分かった。

「遥、大丈夫か?酷い汗だな。」

遼くんから手渡されたタオルで汗を拭く。
ずっと居てくれたのかな?

「ありがとう。・・・拓真は?」

「分からない。とりあえず、お前の命を最優先に考えた。」

「・・・死んじゃったのかな・・・」

「・・・どうだろうな。」

「僕が・・・僕が拓真のところに行かなければ・・・こんなことにはならなかったのに・・・」

遼くんが隣に座って僕の頬を撫でる。

「どうして黙って行ったんだ?」

「拓真の所に行くって言ったら嫉妬しちゃうかなって。」

「理由があれば嫉妬なんかしねぇよ。ちゃんと言って欲しい。」

「ごめんなさい。」

「それから・・・」

遼くんが僕の目元に指を持っていき涙を拭ってくれる。
僕いつの間に泣いてたんだろう。
思い出したのかな。

「こんなことになったのは全部俺が原因だ。お前への気持ちが周りを巻き込んでしまった。すまない。」

そんな事ない。
遼君だけじゃない。

「あいつの・・・拓真の償いにはならないかもしれないが、お前を必ず幸せにしてみせる。だから待っててくれ。」

「・・・うんっ!」

思わず抱きついてしまった。
そして、また、涙を流して泣いてしまった。
拓真はもう戻ってこない。
だから拓真が言ってた「幸せ」を必ず手に入れる。

ヤクザの恋人になったんだ。
この先、僕の周りには危険が生じるのは当たり前だ。
こういう事には慣れていかないと。
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