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【R18】最高の結婚

第7章 ヤクザの恋人


遥side

「僕がアイツらの注意を逸らすからその隙に逃げて。」

「何言っ・・・」

「僕のせいだから。逃げて。拓真を巻き込みたくない。」

「・・・くそっ!」

拓真が僕の手を引き2階へ駆け上がった。

「拓真っ!?」

「俺はお前のことが好きなんだよっ!手は引く。けどな、好きなのは変わりねぇから幸せになって欲しいんだよ。ここで死なせてたまるか。」

拓真の部屋に着いて扉の鍵を閉める。
拓真は部屋に置いてあったバットを取り扉に向けて構える。

「お前を・・・ちゃんとその人の元へ返す。」

向こう側を向いていて表情は分からない。
けど、背中から拓真の気持ちが伝わってくる。
本気だ。

「・・・ありがとう。でも、自分の身は自分で守るよ。」

1階からバタバタと足音がする。
入ってきた。

「遥、窓から逃げろ。」

「拓真は?」

「後で行く。」

「やだ。先に行って。」

「遥。お前は帰るべき場所があるんだ。先に行け。」

僕の方を振り向き笑顔で促してきた。

「・・・分かった。じゃあ約束して。絶対死なないって。」

「・・・約束する。」

謎の間を置き、拓真は頷いた。
階段を上がってくる音。
早く行かなきゃ。

窓を開け、窓縁に足をかける。
下には遼くんが車から駆け下りてきた。
タイミングが良すぎる。
手を広げ、飛び降りるように促してくる。

「拓真!遼くんが来てくれたよ!!っ!?」

「あれがお前の好きになった人か。大切にしてくれそうで安心した。」

拓真が僕のすぐ後ろに立っていた。
後ろからは扉が壊される音がしていた。

「拓真っ!一緒に行こう!」

「・・・ごめん、遥。」

「えっ・・・」

そう言って僕の肩を押し、窓から落とした。
遼くんがギリギリの所でキャッチしてくれて、地面に体を打ち付ける事は無かった。
ただ、落ちている間、拓真が銃で撃たれたのが見えた。

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