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【R18】最高の結婚

第7章 ヤクザの恋人


遥side

「ふぅ・・・着いた・・・」

ここが、拓真の家。
久しぶりに見た。

インターホンに手を伸ばす。

ピンポーン・・・

「・・・遥っ!」

「拓真。急にごめんね。」

バタバタと走る音が聞こえる。

「遥!!」

「・・・拓真。今日で会いに来るのは最後ね。」

「何言ってんだ・・・戻ってこい。そしてまたやり直そう。」

「・・・無理なんだ。拓真。前にも言ったけど、僕の事は忘れて。」

「・・・その事なんだけどよ、ちゃんと言ってくれねぇか?理由。怒らねぇから。じゃねぇと納得出来ねぇよ。」

拓真は力強く僕を抱きしめ、耳元で囁く。

「・・・あのね・・・僕、ヤクザと付き合うことになったんだ。」

「・・・は?」

「・・・初めは好きじゃなかったんだ。無理やりだったんだ。でもね、その人の事好きになっちゃって・・・だから、その人の隣にいるって決めたんだ。」

「・・・俺じゃ駄目なのか?」

「違うよ。拓真。君のことはまだ大好きなんだよ。でも・・・何故かその人から目が離せないんだ。」

「・・・そうか・・・別の男を好きになったのか。」

僕は黙って頷く。
顔が見れない。

「ごめんね。僕、最低だよね。」

「そうだな。最低だ。」

やっぱり・・・これは許されることじゃない。

「・・・けど、何故だろうな。やっぱり嫌いになれない。」

その言葉に僕は驚き、思わず顔を上げてしまった。

「やっと見てくれた。」

その顔は寂しそうな笑顔をしていた。
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