第7章 ヤクザの恋人
遼side
仕事から帰ってきて、現在、遥の部屋の前。
遥に癒してもらいたい。
いや、迷惑か?
いやいや、俺達は恋人同士だ。
そんな事してもいいよな。
『遼くんってそんな人だったの・・・』
・・・幻滅されそうだな。
ゴミを見るような目で俺を見る遥の姿が想像出来る。
『おかえりなさい。お疲れ様。無事でよかった。』
笑顔で抱きしめてくれる遥も想像できる。
「なに恋人の部屋の前をうろちょろしてるんですか。下心丸見えですよ。」
「うっ・・・」
「・・・早く入ったらどうですか?・・・遥さんなら抱きしめてくると思いますよ?今日は仕事早く終わったんですから。」
そうだよな・・・
よし。
「遥。」
扉を2回叩き声をかける。
返事が無い。
寝てるのか?
にしても気配が無さすぎる。
部屋には居ないのか?
だとしたらどこに・・・
ゆっくりと扉を開けてみる。
「・・・いない。」
食堂か?
ちょうど昼だ。
もしかしたら料理をしているのかもしれない。
「坂間さん、これ。」
須賀野が紙切れを俺に手渡す。
遥の字だ。
ネックレスも置いて行ってる。
「須賀野!車出せ!」
「しかし手紙には『探さないで』と。」
「危険に決まってるだろ。行くぞ。」
どこに行ったんだ・・・
早く探さねぇと。