第2章 笑わせたいのに
「おかえりなさい。どうでした?」
「寝てた。」
「・・・確かに、俺だったらあの何も無い部屋に入れられたら寝るしかないですね。」
「・・・泣きながら、人の名前を呼んでいた。」
「・・・会いたいんじゃないですか?」
遥には会いたい人がいる。
けど、今、外に遥を出すのは危険すぎる。
それに、もし、そのたくまと言う奴が遥の事好きなら会わせたくない。
「くっそ・・・おい、須賀野。遥の周りにいた『たくま』って奴を調べてくれ。」
「会わせちゃっていいんですか?」
「良くないに決まってる。けど仕方がない。遥が少しでも気持ちが変わるなら。」
「了解です。」
嫌だ。
遥を誰にも会わせたくない。
でも今のアイツは落ち込んでばかりでいる。
それはそれで辛い。