第2章 笑わせたいのに
違う・・・
違う違う違う!
「くっそ!!」
ドーン!
「また何かあったんですか?」
勢いよく机に振り落とした手がジンジンと痺れる。
「須賀野・・・」
「すぐ物に当たる癖治した方がいいかと。」
分かってる、そんな事。
また泣かせてしまった。
ここに来て何日目だ・・・
「好きな人を笑わせたいのならまず目付きから直しては?」
「あ?目付き?俺は普通にしてるつもりだ。」
「それが駄目なんですよ。相手はまだ高校生です。ヤクザの親分ってだけでビビるに決まってます。」
んな事言われても・・・
好きな人を笑わせるにはプレゼントが1番だって言うな。
何かプレゼントしてみるか?
だが、何が欲しいのかも分からない。
直接聞いてみるか。
再び部屋に戻り遥に尋ねることに。
「遥。さっきは・・・」
寝てる。
気持ちよさそうにスヤスヤと寝ていた。
可愛い。
「たくま・・・」
たくま?
誰だ?
涙を流しながらそう呟いた。
俺がやっている事は間違いなのか?
全ては遥を守るため。
なのに、こんなに泣かせて・・・