第7章 ヤクザの恋人
遥side
「・・・以上が現状です。で?・・・そちらの現状は?」
「えーと・・・あはは・・・ごめんなさい。」
坂間さ・・・遼くんに連れられ、仕事の場にまで来てしまった。
そして現在は遼くんの膝の上。
これは迷惑だよ。
「遥さんは悪くないです。親分ですよ。」
「気にしないで続けてくれ。」
「気になりますよ。遥さん申し訳ありませんが、部屋を出てもらっても?」
「僕もそうしたいのですが・・・その・・・力が凄くて・・・」
腰に回された手が絶対に離さないと言っている様だ。
「遼くん。離してくれないかな?流石に仕事の邪魔は出来ないよ・・・」
「遼くん・・・」
須賀野さんが少し驚いた様に名前を繰り返した。
「分かった・・・」
遼くんは少し考えてから離してくれた。
僕は遼くんの膝から降り、頭を下げて部屋を出た。
「ふぅ・・・」
遼くんって意外と犬系?
猫系っぽいのに。
仕事は邪魔しないようにしよう。
少しでも気が抜けたら命が危ないんだ。