第6章 やっぱり好き。
遥side
「だから・・・お願いします・・・」
言っちゃった。
勢いで。
「遥・・・おま・・・」
「迷惑なのは分かってます。付き合えないのも承知の上です。急にこんなこと言ってすみません。」
「ち、違うっ!そんな事っ!」
僕は服を着直しながらその場から離れようとした。
「ごめんなさい。気持ち悪いですよね。ちょっと頭冷やしてきます。」
「待て!」
坂間さんに腕を捕まれ、動きを止められる。
「は、離してください!これ以上、あなたに迷惑かけたくないんです!」
「離さない。離れたくない。それに発情期だろ。他の奴らに触れて欲しくない。」
「そんな事言われたら、僕更に好きになっちゃいます。だからやめ・・・」
坂間さんに強く腕を引かれ、胸に飛び込んでしまった。
僕の背に坂間さんの暖かい手が回る。
首元からはαのいい匂いが。
「なればいい。もっと好きになれよ。俺は・・・俺はお前のことずっと好きだ。」
耳元でそう囁かれる。
「え・・・?」
「アイツらがお前を殺そうとしてるのも、俺がお前に惚れてるからだ。全ての原因は俺なんだ。だからお前を守りたい。」
坂間さんも・・・僕の事が?
「遥・・・付き合ってくれねぇか?」
「・・・坂間さん・・・はいっ!もちろんです!////」
坂間さんが僕を抱き締め返し、「大好きだ」と囁いた。
僕も嬉しくなってつい力を入れてしまった。
僕達はお互い見つめ合い、キスをした。
これは前回の偽りのキスじゃない。
本物の・・・愛のあるキス。
「遥、場所を変えよう。銃声で警察が来るはずだ。」
僕達は公園を出て須賀野さん達と合流した。