第6章 やっぱり好き。
遥side
突然の銃声。
目の前には、血を流して横たわる3人。
頭から血が流れている。
「なに・・・これ・・・」
「遥っ!!」
「・・・坂間・・・さん?」
これ、もしかして・・・
坂間さんが駆け寄って来て、僕に上着をかけてくれる。
手元には銃。
分かってる。
僕を守るために撃ったんだ。
相手はヤクザ。
「何処も怪我は無いか?」
「・・・はい。この頬だけです。」
「よかった。無事で。」
そういう坂間さんの顔は切り傷が。
それだけじゃなくて手も少し怪我してる。
僕を逃がすために負った傷なのかな。
そっと坂間さんの顔の切り傷に触れる。
「いっ・・・?」
「ここ、怪我してます。他にも・・・僕よりもいっぱい怪我してます。」
「こんなのかすり傷だ。それよりも・・・さっきの大丈夫だったか?」
さっきの?
首を傾げる。
「・・・お前の目の前で殺したから・・・てっきり驚いたかと・・・」
「・・・驚きましたし、怖かったですよ。でも・・・それは僕を守るため。そして・・・」
傷を指で撫でる。
「これも、僕の為に負った傷。だから、気にしてません。」
坂間さんが目を丸くさせ黙り込む。
意外な反応に唖然としているようだ。
「ごめんなさい。こんな・・・僕のせいで・・・」
「気にするな。言ったはずだ。お前を守ると。」
「けど、ここまでして・・・止めてください。」
「何故だ?」
「僕のためにこんな傷・・・下手したらあの場で死んでたかも知れませんよ?」
「お前が無事なら・・・」
「そんなの嫌です!」
「・・・遥?」
「僕・・・貴方に死んで欲しくないんです!好きだから!愛してますから!」